今一番の欲求

『アンタはいつも自分優先、自分を一番に考えてやってきた。』

なあんてコトを言われたんだけど、それが本当なら、今までもっと楽しく暮らしてこれたんじゃないかと思うのよ。

アタシ自身の希望と欲求を一番に満たして来たなら、恐らく、その行動に不満を持って耐えられなくなって一家離散という結末になっていたんじゃないかと思う。それ相応に我慢して耐えて飲み込んで腹にしまって、日和ってとりあえず納得した顔して合わせてきたんだと、アタシは思ってた。

行きたかった旅も何年も辞退して、滅多に来ないチャンスを他に譲って、誘いを断って、依頼も断って、欲しい物を我慢し、疲れを押して、合わせて優先してきたけれど、都合よくそういうコトは記憶から消えるのか一切の評価は無かった。

そんな不満が口から飛び出して行きそうになったけれども、アタシはそれを飲み込んだ。ディスりに耐えた。

反論したところで、相手の作り出した結果をひっくり返すコトなどできやしない。疲れる。もう疲れるのはゴメンだ。