電話繋がり
あー、働きたくない。
仕事なんて週2で充分。
残りは遊んで暮らしたい。
まあ、無理なんだけれども…。
今月末に一人が会社を去っていくと聞いた。まだ彼は30歳前後ではなかっただろうか。確か去年くらいに結婚して今年は子供も生まれたような話も聞いた。
しかし、会社を辞めるという。詳しい事情はわからないが、不満が爆発したようだ。そこを理解し対応できなかった上司は管理能力が不足していたのだろう。管理職は部下を育てるコトが仕事だというのに…。
辞めていく彼は、入社当初ほんとうに使えない、っーか「お前大丈夫か?」と聞いてしまうような仕事の出来なさだった。図体ばかりデカくて脳味噌まで筋肉とは彼のコトだと…。しかし、直属の先輩の指導の元、チカラをつけてなくてはならない存在まで成長したと思う。怒られながらも随分がんばって来たんだろうと。
惜しい。
惜しいが、もう彼が決めたコトなのだ。
家族を守る責任ある立場でのこの判断なのだから、彼のこれからの成功を祈りたい。そしてまたいつか、よい繋がりが持てたらいいなと思う。
先週末から、2年ほど前に去っていった奴から電話があった。流浪してやっと安定したらしく、そしてまた仕事での繋がりが出来た。最後の挨拶も交わさず去っていったので心配していたけれど、元気そうでなによりだった。向こうから今後のために繋がりを持っておきたいと言われたコトにも感心した。
ちょっとだけ懐かしい声を聞きながら、これから去っていく彼の声をまたいつか懐かしく感じるコトは出来るだろうかと、そんな風に思った。