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振り返らない。忘れるまでは。

知的障害の子供に噛みつかれた話。

まあ、ちょっと思うところがあったのでメモ。

www.sankei.com

小学校の頃、学校の近くに知的障害児童が住んでいる施設があってそこから小学校に通っている子供が何人か居た。

今は知的障害者施設とか言うみたいだけど、その頃は「精神薄弱者施設」なんて言って、「せーはく」とかいう略称もあった。ああ、この話、今はしちゃいけないのかも知れないけど事実なんで。

 

で、施設から学校に来る子供達はいろんなタイプがいて、中には設計図もなしに方眼紙を使って子供目線で「すごい!」と言うような紙工作でロボットやクルマを作る特殊な才能を持った子とかも一部居た。

その子達の行動は傍目に見ると何やってんだかわからないし意味不明だったりするんだけど、学校に来るような子供達は基本的に大人しく人に危害を加えるようなこともない。

そんな中、一度だけ危害を加えられたことがある。

それはクラスの友達と3人くらいで施設に遊びに行き、施設の同年齢の子達とトランポリンで遊んでいる時に、ふいに施設の男の子が腕に噛みついたのだ。「痛ってぇー…」とは思ったと同時に「やられた」というキモチになった。気を付けていたのに痛い目にあったと。

他の友達が「○○君が噛みついた!」と騒いでくれて、駆け寄ってきた施設の先生が外してくれた。先生はごめんなさいねと平謝りだったが噛みついた子は知らんぷり。先生はその子を引っ張ってきて謝らせようとしていた。

家に帰って、施設で噛みつかれたと親に話したが「あんた、気を付けなさいよ。あの子達はあーだから、しょうがないから」で終了。アタシも「まあ注意が足りなかったな」という感じで終了した。子供の遊びの中でのコトだったからか、施設からの謝罪はなかった*1。もちろん噛みついた子の親からも謝罪無し。どんな親で子供に会いに来ているのかもわからなかったけれど。昔はのんきだったのか、今が世知辛いのか。

きっと、あの子はその後、怒られたんではないかと思う。やって良いことと悪いことがわからないまま、あのような子供が大人になったんでは一般の社会生活に溶け込むことは出来ないし、危険な存在として忌み嫌われる可能性だって出てくる。今は「しょーがないから」という雰囲気ではない。何かが起こってしまうとその後は徹底的に排除される。

ニュースに出てきた子供は、今後きちんとした教育や指導を受けられないかもしれない。カラダが大きくなるにつれ指導する先生方の負担は大きくなるのに、へたな指導をしたら怪我するどころか親から訴えられるのだから。障害のあるなしにかかわらず、子供が小さいうちに教えて身につけてあげなければならないコトがある。自分の痛みと自分以外の痛みを感じるということを。

この子の親は、本当に子供のためを思って被害届をだしたのだろうか? この子が悪いことをキチンと認識できないまま育ってしまわないか? 育ってしまったらキケンではないだろうか? この親では、たとえ子供が周りに迷惑を掛けるような存在として育ったとしても、子供が望めばそのまま外を歩かせるんじゃないだろうか。今までは「ああ、あの子は施設の子だな」なんて思って見ていたのが、これからは、取りあえず何かに巻き込まれないように離れるという対応を取らなければならないのかもしれない。

 

しょーがないで済めばいいんだけれども。

 

子供の頃、トランポリンが家に欲しかったな。

*1:もしかしたら親にはあったのかもしれない